作業着のサイズの選び方|仕上がり寸法とヌード寸法の違いや測定法を解説
作業着の採寸方法
サイズを測るために必要なもの
正確な採寸を行うためには、以下の道具を用意しておきましょう。採寸時、スムーズに作業ができます。
- 柔らかいメジャー
体の曲線に沿って正確に測定するために、布製や樹脂製などのメジャーを用意しましょう。金属製の巻尺は体にフィットしにくいため、採寸時の使用は避けた方が良いです。
- 鏡
鏡は、自分で採寸する際に必要です。全身鏡を使用すると、自分で測定する際にメジャーの位置や水平度を確認しやすくなります。
- ペンとメモ用紙
測定した数値をすぐに記録できるよう、紙とペン、またはスマートフォンのメモ機能を準備しておきましょう。
- 補助者(可能であれば)
正確さを保つため、出来る限り、他の人に測定を手伝ってもらいましょう。特に、背中や肩幅など、自分では測りにくい部分の測定が容易になります。
道具を事前揃えることで、より正確な採寸が可能となり、適切なサイズの作業着を作る/外注する際に役立ちます。作業着のメーカーが提供している採寸キットや採寸サービスもあるため、採寸がどうしても難しい場合は活用するようにしましょう。
具体的な各部位の採寸方法
この章では、各部位の正確な測定方法を具体的に解説します。
上衣(トップス)の測定方法
最初に上衣から、測定方法を紹介していきます。
- 胸囲(バスト)
周囲は、胸の最も高い部分を水平に測定します。周囲を測定する際のポイントは、メジャーがねじれないよう注意し、体にぴったりと沿わせて測ることです。そのため、先程紹介した柔らかいメジャーを準備しましょう。
- 肩幅
肩先から反対側の肩先まで、背中側を直線で測定します。セルフで測る際は、鏡を使ってメジャーが水平になっているかを確認しましょう。
- 袖丈
肩先から腕に沿って手首までの長さを測定します。肘を軽く曲げた自然な姿勢で測ると、実際の着用時に近い寸法が出来ます。
- 着丈
着丈の採寸は、首の付け根(後ろ側)から背中を通り、希望する上着の裾位置までの長さを測定します。
下衣(ボトムス)の測定方法
次に下衣の採寸方法を見ていきましょう。
- ウエスト
胴の最も細い部分(通常はへその少し上)を水平に測定します。自然な呼吸状態で測ることがポイントです。
- ヒップ
お尻の最も突き出た部分を水平に測定します。足を肩幅程度に開くと、正確な寸法が得られます。
- 股下
股下は、内股の付け根から足首までの長さを測定します。靴を履いた状態で測ると、実際の着用時の長さに近づけられるので、着用しながらの測定がおすすめです。
上記で紹介した手順に従って各部位を測定することで、体に合った作業着のサイズを作ることができます。次章では採寸時の注意点を紹介していますので、合わせてご覧ください。
採寸時の注意点
採寸時には、以下のポイントに注意すると、より正確な測定が可能です。誤った採寸の場合、イメージとしていた作業着のサイズと大きく異なってしまうこともあります。本章では、採寸時に注意したいポイントを簡単に紹介します。
注意点①メジャーの使い方
メジャーは常に水平かつ体に密着させ、ねじれやたるみがないようにしましょう。仮に、メジャーが水平でなく、体に密着していない、ねじれやたるみがある場合、正確な寸法が得られません。その結果、仕上がった衣服が体に合わず、着心地や見た目に影響を与える可能性があります。
注意点②姿勢
測定中は、息を止めたり、体を引き締めたりせず、普段通りの状態で測定することがポイントです。測定中にリラックスした自然な姿勢ではなく、身構えた状態の場合、実際の体型と異なる寸法が計測されてしまうケースがあります。
例えば、鏡の前で無意識に姿勢を良くすると、実際の生活で自然な姿勢に戻ったときに衣服にシワができるなどの問題が発生することがあります。測定中はできるだけリラックスした自然な姿勢で採寸をしてもらいしょう。
注意点③着ている衣服
正確な寸法を測りたい場合は、厚手の衣服(肌着等)やアクセサリーは外し、薄手の服装か下着姿で測定しましょう。厚手の衣服やアクセサリーを着用したまま測定すると、体の実寸より大きな数値が出てしまいます。その場合、完成した衣服が実際よりも大きくなり、フィット感が損なわれる可能性があります。
注意点④複数回の測定
各部位を一度しか測定しない場合、複数回測定して平均値を取った寸法と比較すると、誤差が大きくなり、仕上がりのサイズに影響を与える可能性があります。各部位を複数回測定し、きちんと平均値を取り、なるべく誤差が少なくなるようにしましょう。
注意点⑤1人での採寸は極力避ける
可能であれば、他の人に測定を手伝ってもらうことがおすすめです。特に、背中や肩幅などの測りにくい部分では、協力してもらいましょう。1人で採寸を行うと、特に背中や肩幅などの測りにくい部分で正確な数値を得るのが難しくなります。結果として、各部位の寸法が不正確になり、衣服のフィット感や全体的なバランスがイメージしていた作業着のサイズ感と異なってしまう可能性があります。
上記の注意点に気をつけることで採寸の精度が向上し、フィットした作業着のサイズ感に仕立てることができます。
ヌード寸法と仕上がり寸法の違いと測り方
作業着の適切なサイズを選ぶためには、「ヌード寸法」と「仕上がり寸法」の違いを理解し、それぞれを正確に測定することが重要です。この章では、「ヌード寸法」と「仕上がり寸法」、「違いと測り方」を解説します。
ヌード寸法の正しい測り方と手順
ヌード寸法とは、衣服を着ていない状態で測る体のサイズのことです。体形は時間とともに変化するため、特に体重が変わったときは再測定し、現在の正確なサイズを確認することが重要です。また、測定は、朝起きてすぐの空腹時に行うのが理想的です。水分や食事を摂った直後は体重が変わりやすく、測定結果にばらつきが出ることがあります。
正確なヌード寸法を行うことで、自分の体に合った作業着を選んだり、制作・発注する際に役立ちます。以下の手順で測定しましょう。
ステップ1:準備
薄手の衣類または下着のみを着用し、リラックスした自然な姿勢で立ちます。事前に柔らかいメジャーと鏡を用意し、可能であれば、他の人に手伝ってもらいましょう。
ステップ2:測定箇所と測定の方法
- バスト(胸囲)
胸の最も高い位置(バストポイント)にメジャーを水平に巻き付け、測定します。鏡でメジャーが水平であることを確認し、息を自然に吐いた状態で測定してください。後ろが下がらないように注意しましょう。
- ウエスト(胴囲)
ウエストの一番細い部分(通常、肋骨の下あたり)にメジャーを水平に巻き付け、測定します。自然な呼吸状態で測定し、メジャーがきつすぎないよう注意してください。腕を軽く曲げた時の肘の位置がウエストラインの目安となります。
- ヒップ(腰囲)
ヒップの最も突出した部分にメジャーを水平に巻き付け、測定します。鏡でメジャーが水平であることを確認し、足を揃えて立った状態で測定してください。お腹の出っ張りも含めて測ります。
- 肩幅
肩の骨が最も外側に出ている点から反対側の同じ位置までを直線で測定します。他者に手伝ってもらうと正確に測定できます。肩先から肩先までの直線距離を測ります。
- 袖丈
肩の外側の骨から腕を自然に下ろした状態で、肘を通り手首の骨が出ている部分までを測定します。肘を軽く曲げた状態で測定すると良いでしょう。肩先から手首までの長さを測ります。
- 股下
内股の最上部から足首のくるぶしまでを測定します。足を肩幅程度に開き、リラックスした状態で測定してください。内股の付け根から足首までの長さを測ります。
ヌード寸法で測定する際の注意点として、メジャーのねじれやたるみを鏡でチェックしながら、床に対して水平に測ってください。メジャーが体に密着し、ねじれやたるみがないように心がけましょう。
仕上がり寸法の正しい測り方と手順
仕上がり寸法とは、製品そのものの寸法を指し、既存の衣服を測定することです。仕上がり寸法は、作業着の再購入や製作・発注時に適切なサイズを選ぶ際の参考となります。
ステップ1:準備
平らな場所に衣服を広げ、シワをしっかりと伸ばして平坦な状態にします。シワがあると正確な測定ができないため、特に背面のシワにも注意してください。
柔らかいメジャーを準備します。長さが1メートルを超える場合もあるため、十分な長さのメジャーを使用してください。 注意点として、衣服を測る際、大きなシワを伸ばして平らな状態で測ることが重要です。特に、背中側にシワがあると正確に測れないため、フラットな状態になるよう良く伸ばして測りましょう。
ステップ2:測定箇所と測定の方法
- バスト(胸囲)
上衣の脇下部分を水平に測定し、その数値を2倍して胸囲の仕上がり寸法とします。メジャーが水平であることを確認し、正確に測定してください。
- ウエスト
上衣の場合
ウエスト部分の幅を測定し、2倍します。ウエストがシェイプされている場合は、一番細い部分を測定してください。
パンツの場合
ウエストバンドの上端を水平に測定し、2倍します。ボタンやファスナーを閉じた状態で測定すると、より正確な寸法が得られます。
- ヒップ
パンツのヒップ部分(ファスナーの下あたり)の幅を測定し、2倍します。ヒップの最も広い部分を測定することで、正確な寸法を得られます。
- 肩幅
上衣の肩先から肩先までを直線で測定します。縫い目から縫い目までを測ると、正確な肩幅がわかります。
- 袖丈
肩の縫い目から袖口までを直線で測定します。袖を自然な状態に整え、シワがないようにして測定してください。
- 股下
パンツの内股の縫い目の始点から裾までを測定します。内股の付け根から裾までの長さを正確に測ることで、適切なパンツの長さを確認できます。
寸法の違いと使用方法
ヌード寸法は着用者の身体サイズを指し、仕上がり寸法は製品の実寸法です。例えば、胸囲が80cmの人が仕上がり寸法80cmの服を選ぶと、製品の実際のサイズとなるため、非常にタイトで動きにくくなります。作業着は動きやすさが求められるため、ヌード寸法に適度なゆとりを加えたサイズを選ぶことが一般的です。
ヌード寸法: 身体そのものの寸法であり、個人の体型を正確に把握するために使用します。
仕上がり寸法: 製品自体の寸法であり、衣服の実際のサイズやフィット感を確認するために使用します。
サイズを選ぶ際は、本章で説明した通り、ヌード寸法に適度なゆとりを加えた「仕上がり寸法」を基準にしましょう。たとえば、胸囲のヌード寸法が90cmの場合、仕上がり寸法が95cm〜100cmの上着を選ぶことで、適度なゆとりが確保され、作業しやすくなります。
作業着のサイズ表記の読み方
作業着を選ぶ際には、サイズ表記を理解しておくと、いざというときに役に立ちます。特に、国内ブランドと海外ブランドではサイズ表記や基準が異なるため、表記には注意して選びましょう。
国内ブランドと海外ブランドの違い
日本国内のブランドでは、一般的に「S」「M」「L」といったアルファベット表記や、「5号」「7号」「9号」などの数字表記が用いられています。一方、海外ブランドでは、国や地域によってサイズ表記が異なります。例えば、アメリカでは「XS」「S」「M」「L」「XL」といったアルファベット表記が一般的であり、ヨーロッパでは「36」「38」「40」などの数字表記が使用されます。
具体的には、日本の「Mサイズ」は、海外ブランドの「Sサイズ」や「Lサイズ」に相当する製品が多いです。そのため、海外ブランドの作業着を選ぶ際には、各ブランドや国のサイズチャートを確認し、自身のヌード寸法と照らし合わせることが重要です。
サイズ表の見方
サイズ表には、胸囲、ウエスト、ヒップなどの各部位の寸法が記載されています。これらの数値は、前章で解説した製品軸である「仕上がり寸法」の場合と、着用者の「ヌード寸法」を基準とする場合があるので、寸法は必ずチェックしましょう。
また、各ブランドやメーカーによってサイズ感やフィット感は異なります。可能であれば試着を行い、実際の着心地や動きやすさを確認することがおすすめですが、オンラインで購入する場合は、各ブランドの公式サイトや信頼できる販売サイトで提供されているサイズガイドや着用したユーザーのレビューを参考にすると良いでしょう。
以上の点を踏まえて、作業着のサイズ表記を正しく理解したうえで、作業着を選びましょう。
サイズ選びの目安と注意点
作業着の適切なサイズを選ぶことは、作業効率や安全性、快適性に直結します。以下に、サイズ選びの目安と注意点をまとめました。
作業着のサイズの目安
一般的な作業着のサイズは、以下のように分類されます。
サイズを選ぶ際の留意点
作業着のサイズを選ぶ際には、以下の2点に気を付けて選ぶようにしましょう。
・普段着とのサイズ感の違いを把握する
普段着のサイズ感と作業着のサイズ感は異なる場合があります。作業着は動きやすさや安全性を考慮して設計されているため、普段着と同じサイズを選んでもフィット感が異なることがあります。また、繰り返しにはなりますが、作業内容や環境に応じて、適切なゆとりを持たせることが重要です。例えば、激しい動きを伴う作業では、動きやすくするために通常よりも余裕のあるサイズを選ぶなど、工夫が必要です。
・洗濯による縮みを考慮する
綿素材の作業着の場合、洗濯によって縮んでしまう可能性が高いです。そのため、若干大きめのサイズを選ぶようにしましょう。
作業着ならダイイチ【事例】
ここまでは、作業着の採寸方法や適正サイズの見分け方、選び方を解説しました。しかし、実際に採寸してみると予想よりも難しい場合や、そもそも採寸をする時間がない担当者も多いでしょう。その際は、ユニフォーム会社に外注することもおすすめです。最後に、ダイイチの事例を紹介します。
株式会社神奈川ナブコ様
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『動きやすくてかっこいい新ユニフォーム!汚れの問題も色の変更で解決』
株式会社ひかり建設様
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