Case Study

インタビュー

老若男女、体型などに関わらずみんなが着られる新ユニフォーム【株式会社ビルネット様】

株式会社ビルネット様

ビルネット様は、1960年に株式会社民放会館として設立されました。以降、株式会社大都、日産ビルネット株式会社と社名変更しながら、2020年に創立60周年を迎えられています。2001年に、学生寮・社員寮・ワンルームマンションを中心とした「レジデンス事業」、ビジネスホテル・リゾートホテルの「ホテル事業」を展開する共立メンテナンスグループとなり、オフィスビル、商業施設と合わせて総合ビルメンテナンス会社としてご発展されています。
そしてさらなる成長に向け、2022年4月に新たな中期経営計画を策定し、その中の目標の一つにユニフォームの刷新を掲げられました。
制服リニューアルの経緯など、代表取締役社長の藤澤様、社長室サブマネージャーの須田様、プロジェクトメンバーの小倉様、草様にお話を伺いました。

インタビューにお答えいただいた皆様(左より 草様 小倉様 須田様 藤澤社長)

旧ユニフォームをリニューアルして欲しい要望も

中期経営計画でユニフォームの刷新を決めたと伺いました。

藤澤社長 :

以前から社員の皆様よりユニフォームがかっこよくない、今どきではないなどの意見がありました。実際、20年以上前から同じユニフォームでしたし、前回のリニューアルは製品が廃番になったため、やむを得ず変更しました。そのため、2種類のユニフォームが混在した状況でした。
今は新入社員の採用が困難な時代です。新人研修で(特に女性から)「この制服を着ないといけないのですか」と言われたこともありました。
そんな折、ビルメンテナンス業界向けの展示会でダイイチ様とお会いし、昨今の企業ユニフォームの情報を色々と教えていただき、2年早めてリニューアルをすることにしました。いざ変えるという話を社員に向け発表した際に、想像以上の反響があり、社員の思いがひしひしと伝わってきました。
改めて社員のモチベーションアップとリクルート効果を狙って、ユニフォームの刷新をスタートすることを決めました。

アンケート調査をもとにプロジェクトメンバーを選定

ユニフォームのリニューアルは社長室が中心となって進めたそうですね。

藤澤社長 :

同じタイミングでホームページのリニューアルなども行っていましたので、社長室で行うのが良いだろうと決めました。まず、社長室を中心に企画を出し、ある程度企画がまとまった時点で他のメンバーにも参加してもらい意見を聞きました。ダイイチさんから、最初から大人数で行うと意見がまとまらないとお聞きし、少人数でスタートすることにしました。
社内アンケートを行い、ユニフォームに対する意見や想いを積極的に書いてくれたメンバーもプロジェクトに参加してもらいました。

須田様 :

以前からユニフォームをリニューアルして欲しいという声があがっていることは知っていたので、私が事務局としてアサインされたのも何かの縁だと感じました。リニューアルすることは楽しみでもありましたが、最初は何から手をつければよいのか雲をつかむ思いでした。しかし、社内アンケートを行い、社員の要望が見えてきたときから(リニューアルする)イメージが湧くようになりました。

現場に近い立場での意見を出す事の重要性

お二人はどのような業務をされているのですか?

草様 :

私は入社9年目、普段は系列会社のホテルの設備管理に携わっています。ビルネットは様々な業務を行う現場があり、人数も多い会社です。今回プロジェクトメンバーに選ばれましたが、会社の制服を新しくするプロジェクトに関わっているということで、やりがいを感じながら携わらせていただきました。同じ部署のメンバーも、新しい制服に興味があったようで、時々プロジェクトの進行を聞かれることもありました。

小倉様 :

私は営業職で、作業性というよりも見た目の印象が影響する職種です。ユニフォームは営業ツールとしてよく着用していますが、新しい作業服はスタイリッシュでかっこいいねとオーナー様からの印象も上々です。

老若男女、体型などを問わずみんなが着られるユニフォーム

どのような制服にしたいと思いましたか?こだわった点はありますか?

藤澤社長 :

具体的なデザインのイメージはなかったのですが、「若い人や年配者、体型の違い、男女を問わず違和感なく着られるもの」をコンセプトにスタートしました。今までは男性のみ着用していましたが、今回のリニューアルでは社員のモチベーションアップ、一体感の醸成を目的としていましたので、希望者すべてに貸与することにしました。そのため、誰もが着やすいデザインにしようと決めたのです。
特に作業する社員には動きやすさ、収納など機能性について重点的に意見を聞きました。ポケットの大きさや位置、容量など実際に着用して使い勝手を確認してもらいました。
デザイン面でこだわったのはシュッと(スマートに)見えるかということです。スリム系シルエットにすると、体型の大きなメンバーは着心地が悪い、着られないのではないかということもあり、様々な体型の社員に着てもらいました。伸縮性に優れた素材ということもあり、かっこよく着こなすことができたようです。

試着選考会の実施で、ユニフォームリニューアルが会社のイベントに

最終的にどのような方法で決定しましたか?

藤澤社長 :

ダイイチさんに相談して、4案に絞った段階で試着選考会を開催することにしました。本社および関東近郊の支店の希望者には皆参加してもらいました。当初から制服に対する思いが強かった京都支店の社員には、支店長の許可をもらって本社まで来てもらいました。選考会では、最初は消極的だった社員も会が進むにつれ積極的になり、候補案の試着をしてくれました。想像していたよりも多くの社員が参加してくれ、皆の興味関心の高さがわかりました。また、参加できなかった社員に向けて資料を作成し、オンラインで投票を行いました。

その結果、見た目では他のデザインが人気でしたが、着用してみると、配色タイプ(グリーン×黒)に人気が集まりました。誰が着てもすっきり見えるという理由が多く、パンツの色が黒だったことも良かったようです。特に意識はしていなかったのですが、結果的にコーポレートカラーのグリーン系のユニフォームを採用することができました。

試着選考会の様子

須田様 :

実は決定したデザインはプロジェクトのメンバーにも当初人気のないものでした。人気があったデザインはグレー系やネイビーの上下同じ色のタイプ。しかし、不安があった為、試着選考会前にプロジェクトメンバーで設備管理の現場のアミューズメント施設に行き、現地のスタッフに実際に着用してもらったところ、配色タイプが評判良かったのです。
この施設はお客様の目に触れることが多く、職場としても人気の施設でしたので着用場所として選びました。

リニューアルにはどれくらいの期間かかりましたか?

須田様 :

トータルで1年ほどかかりました。まず全社にアンケートを取り、その後現場にヒアリングを行いました。約半年後に選考会を実施し、オンライン投票を行って最終決定しました。

古い制服は回収してリサイクル、皆が使える実用的なアイテムに

デザイン以外で評価していただけた点はありますか?

ダイイチ担当者 :

ご提案をする過程で不要になった制服を回収・リサイクルする仕組み「BRING UNIFORM」をご紹介しました。リサイクルが行なわれる九州の工場を視察していただき、興味をお持ちいただきました。
使用後の制服がどのように生まれ変わるのかを知ることで環境問題への意識も高まると思います。「BRING UNIFORM」では再生ポリエステルとして生地になり、新たな「もの」として活用できます。

実際の工場を視察されていかがでしたか

藤澤社長 :

九州の工場を視察した際に使用済のユニフォームをリサイクルして作ったエコバッグを紹介していただきました。私がその時携帯していたエコバッグにも「BRING」のブランドロゴが付いておりました。奇遇でしたが、リサイクルをぐっと身近に感じられた瞬間でした。色々検討した結果、私たちも旧ユニフォームを回収し、「BRING UNIFORM」の仕組みで作られた再生ポリエステルの生地を使ってエコバッグを作ることにしました。社員が普段から使いやすいよう、コンビニ弁当が傾かずに入れられるマチ付きの形を採用しました。また、ユニフォームを着ていた先輩たちの「思いをつなぐ」というメッセージを込めて、プリントをデザインしました。これまでSDGs(環境問題)への取り組みが中々出来ていなかったので、少しでも貢献ができるかなと感じています。

お客様からも家族からも評判は上々

新制服になって反響はいかがですか?

草様 :

お客様からも「かっこよくなりましたね!」と言っていただきました。社内に統一感が生まれて良かったと思います。
現場に行くと汚れるので毎日洗濯をしますが、すぐに乾くので助かっています。見た目のデザインも以前に比べすっきり見え、家族の評判も良いです。

小倉様  :

私も着用した日はいつも洗濯します。実は昨日も着用しており、夜洗って部屋干ししていたのですが、朝には乾いていました。営業先でも「ユニフォーム変わったね」と声をかけられ、商談が盛り上がることもあります。
作業する現場からは上着の着丈が短くなったことで作業道具が取り出しやすくなったという声もありました。

藤澤社長 :

今回インナーを揃えたのも良かったです。以前は上着を脱ぐと私服になり、見た目がバラバラでしたが、インナーも揃えて貸与することにしたので統一感がました。

偶然からスタートした関係、最後には社の一員に

ダイイチの担当者の印象はいかがですか?

藤澤社長 :

情報収集を目的に行った、ビルメンテナンス業界向けの展示会でお会いしたのが初対面でした。その後、ご連絡をいただいた際に、たまたまユニフォームのリニューアルが中期経営計画で決まったところでしたので、相談させていただきました。
積極的に色々な情報をくださるし、我が社の一員のように親身になり、考えて動いてくれたことがありがたかったです。

頭で考え過ぎず、ユニフォームリニューアルを楽しむこと

今後リニューアルを考えていらっしゃる方にアドバイスをお願いします。

藤澤社長 :

同業他社の事例を参考にし、サンプルを見せてもらいイメージを膨らませることをおすすめします。色々なサンプルを見たり着たりすることで、プロジェクトメンバーに楽しんで関わってもらうことができますし、本気になってもらえます。
最初は小さく始め、決定する場面ではより多くの社員の意見を聞くというのも成功の秘訣かもしれません。

ユニフォームは従業員にとっても身近な存在

今回のリニューアルを振り返って

ダイイチ担当者 :

最初、社長様と直接のやりとりはかなりプレッシャーを感じていました(笑)しかし、プロジェクトの皆様と実際の職場(現場)に行かせていただき、たくさんの意見を聞くにつれ、一緒に進めている感覚が強くなっていきました。
試着選考会に参加させていただいた時、楽しんでいらっしゃる皆様の姿を拝見し、従業員の方にとってユニフォームがとても身近な存在だということを改めて感じました。当初の予定よりも着用希望者が増え、皆様に喜んでいただいていることを大変嬉しく思います。

■企業情報
株式会社 ビルネット
事業内容:
所在地:東京都千代田区外神田2-15-2 新神田ビル 5階
URL:https://builnet.co.jp/

左:株式会社ダイイチ 営業担当 清水 右:株式会社ビルネット 代表取締役社長 藤澤様