作業服レディース 導入のすすめ(ジェンダー平等のお話)
はじめに
今まで男性中心だった仕事の現場で活躍する女性が増えていますよね。土木関係や運送関係など、積極的に女性の採用を行っている業界も多く見受けられます。一方で女性たちが着る制服はこれまでと変わらず、大きすぎる作業服を着用している姿を目にすることがあります。今回は自分の体に合った服を着る大切さについてお話していきます。
女性の就業者数の増加
近年、日本では女性の社会進出が進み、就業者数が増加しています。
女性の就業者数は、2012~2019年の7年間で、約330万人も増加しています。
その為、今後は女性就業者がより活躍できる基盤をさらに整備することが重要な経営課題となります。
日本の生産年齢人口(年齢別人口のうち、生産活動の中核をなす年齢の人口層を指し、日本では15歳以上65歳未満の人口を指す)が減少している中、女性就業者数は増加している背景には、就業率の飛躍的な向上があげられます。女性の就業率は2000年に57%でしたが、2019年では70%を超えているのです。
女性の就業率向上の要因
1 労働需要の増加
少子高齢化に伴って生産年齢人口が減少し、社会的に労働力の不足が叫ばれていました。
2 女性の就業意識の変化
例えば、世帯年収の減少に伴って専業主婦世帯では従前の所得水準を維持できなくなり、労働参加している背景があります。
3 労働参加を促す政策等の法整備
そのため、企業は女性の働きやすい環境を作ることが求められているのではないでしょうか。女性の働きやすい環境というと、労働時間や育児休暇制度などに目を向けられがちですが、実はユニフォームも大事な役割を担っています。
レディース対応の作業服とは
女性の働きやすい環境を作るユニフォームとは、具体的に、どこが違うのでしょうか。ここではその違いをご紹介したいと思います。
サイズ構成の違い
これまでの作業服はS~5Lのサイズ展開が主流でした。男女兼用と表記されていても、一番小さいSサイズでも女性が着用するには大きく、自分で直しに出したり、裾を折って着用したりする姿が見られました。人によっては支給されても着用しない(できない)場合もあるようです。それに比べ、レディース対応の男女兼用の商品は3S、SSサイズからの展開で、小さいサイズはレディースシルエットになっている商品が増えつつあります。体に合わない作業服はそれだけで作業効率を下げ、生産性やモチベーションの低下に繋がるので、サイズの合った作業服を着用することは生産性向上の面でも重要です。
レディースシルエット
レディース対応の作業服は平均女性のサイズ感、男女の骨格差を考慮し、着心地のよいシルエットで作られています。女子中高生の85%は制服が学校選びに影響するというアンケート結果が出るほど、女性は制服に敏感です。通常の無骨な作業服よりも、女性専用に作られた作業服は女性に対するリクルート効果を確実に高めます。
女性が快適に働ける環境を整える
昨今、ジェンダーレスの観点、寒さ対策等から、学生服にスカートだけでなくパンツも導入する学校のニュースを目にすることも多くなりました。
会社制服でも屈んだ際に下着が見えることを防止する機能や、裏地を付けることによる透けの防止、サニタリーポケットなど、現場で抱える悩みを解決できる商品があります。女性が快適に働ける環境を整えることで、会社に対する帰属意識を高めることができ、人材の流失を防げる効果があるのではないでしょうか。
レディース対応作業服は通常の作業服と比較して、コストの面でもほとんど違いはありません。それにも関わらず導入にこれだけのメリットがあります。
1.生産性・安全性の向上
2.リクルート効果の向上
3.女性満足度の向上
4.会社への帰属意識の向上
女性の採用を増やしたいとお考えの企業様は、レディース対応ユニフォームを導入してみてはいかがでしょうか。
ユニフォームを通じて考える、SDGs「ジェンダー平等」とは
世界中の人々が豊かに暮らし続けていくための世界共通の目標として、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)。17の目標の一つ、「5.ジェンダー平等を実現しよう」で、ジェンダー(社会的性別)の問題が大きく取り上げられています。
途上国、先進国問わず、雇用や給与、家事分担、社会的な意思決定への参加など多くの場面で性的差別が行われてきました。日本では内閣府の男女共同参画局が中心となり、男性も女性も自分の意欲に応じて活躍できる社会を目指し、女性の再就職・再雇用を促進するプランや、仕事と生活を両立したりするためのガイドラインなどをつくり、女性の地位向上や男女平等のための取り組みを続けています。
世界が目指す社会を作るために、働く現場でのユニフォームは大きな役割を担っています。ユニフォームは仕事をするために着用する服です。日々袖を通す服がまったく体型に合っていなかったり、仕事内容に合わず働きにくかったりすると、どんな気持ちになるでしょう。自分らしく、仕事に誇りを持って働くためにユニフォームで何ができるか? 考えていく必要があります。
さいごに
日本はジェンダー平等先進国に比べると遅れている部分もありますが、さまざまな企業や自治体、NPOなどが「誰もが分け隔てない社会」、「全ての就労者が働きやすい環境」を作るために、取り組んでいます。ジェンダー平等は男女の性差だけを指しているのではありません。LGBTQをはじめ、性を男女だけで判断しない多様性を受け入れる社会の実現には、一人ひとりが自分と違う立場の人への理解を深め受け入れることも大切です。
さまざまな立場の方が、ストレスなく働けるようになるためには、ひとりひとりに合ったユニフォームが今こそ求められているのではないでしょうか。