“企業や施設の顔”ユニフォーム選びに取り入れたい色の心理効果
はじめに
ふだん目にしている景色や風景、食事、私たちの生活の中には様々な色が存在し、いつどんな時でも色に接して生活をしています。
そして日常生活の中で、色の選択をする機会は意外にも多く、意識的に選んでいることもあれば、潜在的なイメージやその時の心理状態によって無意識に選択していることもあります。
皆さんは何も意識していないと、つい同じ色のものばかり揃えてしまうことはありませんか。好きな色や求めている色には、その人自身の嗜好や性格が反映されているとも言われています。
また服を選ぶとき、「今日はあの人に会うからお気に入りの色のニットにしよう」「フォーマルな場所に行くからシンプルな色のものを着よう」と相手や着用シーンによって選ぶ服を変えているのではないでしょうか。
これは「きちんとした人に見られたい」「清楚な感じに見られたい」「元気な印象を与えたい」など私たちが持っている色のイメージで人に与える印象を意識して選んでいるのです。
これはユニフォームにおいても同じことで、色の使い方一つで、お客様や従業員にさまざまな印象を与えることができます。
「お客様にどのような印象を持ってもらいたいのか」「従業員にどのように働いてもらいたいのか」ユニフォームに関するあらゆる事柄が色と繋がります。
色の与える影響と心理効果は、ユニフォームの色を決める上で欠かせないポイントです。お客様や従業員に喜ばれるユニフォームにするためにも、ここで色について学んでいきましょう。
色にはどのような影響力があるか
人は色からどのような影響を受けるのか、大きく分けると以下の4つになります。
・心理的影響
色を見ることで学習や理解を助け、行動を喚起するなど誘導的な影響があるといわれています。
茶色+黒でコーヒーをイメージしたり、青+黄色で学習塾を思い浮かべたり、色から特定のイメージを連想することがあります。それは、私たちが無意識のうちに色とイメージを結び付けて学習し、理解をしているからです。企業のブランドロゴや店舗のインテリアにも応用されています。
・生理的影響
色は神経や細胞への影響を与えます。
例)明るい赤は交換神経系に刺激を与えるので心拍数が上がったり、血圧を上げたりするといわれています。逆に青や緑はリラックスさせる生理作用があるといわれています。
・感情的影響
感情や気分も色に大きく影響されています。
例)黄色を見ると人は明るい気分になり、観葉植物など緑を見ると人は安心することができます。
・文化的影響
実は色というものは、万人に同じように見えているわけではありません。
空に架かる虹、日本では一般的に7色で描かれることが多いですがドイツでは5色です。
また日本では黄色=明るく元気なイメージがありますがエジプトでは喪を表します。
このように歩んできた歴史や長年培ってきた文化によって、色に対するイメージが大きく違うことがあります。
それぞれの色が持つイメージによる心理効果
・赤系
赤は五感のなかで視覚と関係が深い色です。視覚に飛びこんでくる色なので目を引き印象に残ります。明るい赤は元気を人に与え、積極的・活動的にさせます。暗い赤、濃い赤はストレスを和らげてくれます。
「心理効果」
活力を感じ気持ちを前向きにさせる
熱や暖かさを感じる
目を引き関心を集める
「こんなイメージづくりにおすすめ」
・元気で活力溢れる企業
・人やサービスの暖かさを表現
・目立ちたい
・青系
落ち着いた色で鎮静効果があり、信頼や誠実さも感じさせます。清潔感、爽快感を想起させ
信頼や平和を象徴します。
「心理効果」
・集中力を高める
・興奮を抑え、気持ちを落ち着かせる
・心を穏やかにしてくれる
「こんなイメージづくりにおすすめ」
・従業員の集中力を高め、サービス向上を目指したい
・静かな環境での仕事
・企業として、誠実さや清潔感をアピール
・黄系
もっとも明るい色で、インパクトを与える色です。昼夜問わず認識しやすいので注意喚起する色として使われます。
「心理効果」
・集中力を発揮させる
・判断力がアップする
・気分が明るくなる
「こんなイメージづくりにおすすめ」
・明るく楽しい職場、人間関係が伝わる
・商業施設や娯楽施設でお客様にワクワクする雰囲気を感じてもらう
・緑系
安心感や安定、調和を表す色です。木や森などの自然の色でもあるので気持ちを穏やかにし、心をリラックスさせてくれます。目に負担をかけない優しい色です。
「心理効果」
・安心感を与える
・心や身体の疲れを癒すリラックス効果
・新鮮な気持ちになれる
「こんなイメージづくりにおすすめ」
・高齢者やファミリーが多く集まる施設
・自然を感じる施設での仕事
・新しいことへチャレンジしていくフレッシュな印象
・黒系
黒は有彩色をもっとも引き立たせる色です。落ち着きや威厳、高級感、モダンな雰囲気を加えるので組み合わせに便利な色です。
「心理効果」
・スマートに見える
・高級感を生み出す
・自分に自信を持たせる暗示効果
「こんなイメージづくりにおすすめ」
・ラグジュアリーな店舗
・ビビットカラーと組み合わせることでモダンな印象
まとめ
このように色にはそれぞれイメージがあり、人を元気づけたり、落ち着かせたりと人の心理にも働きかけ、思っている以上に心に深く関わっています。
人が受ける印象には第一印象が大きく影響します。特に色は、印象として相手の脳裏に残るので、イメージ戦略として上手に使うと効果的です。
色の持つ力を活用し、ユニフォームにメッセージを込めてみてはいかがでしょうか。