高視認性安全服 従業員を事故から守る!重要性を解説
はじめに
高視認性安全服とは
一般道路や高速道路、線路上・空港での作業など、車両や重機などとの衝突事故が起きやすい現場で欠かせないのが高視認性安全服です。
日本では2015年10月にJIS T8127という国家規格で高視認性安全服の作業着が規格化され、徐々に全国に広まっています。
高視認性安全服を採用する上で、蛍光生地と再帰性反射材という素材への理解が大切です。
蛍光生地と再帰性反射材は、JIS規格で定められた検査項目をクリアするために検査が徹底されています。
高視認性安全服は一般的な作業着よりも高価ですが、作業現場での安全性確保に予算を取ることは非常に重要です。
高視認性安全服の導入に向けて、せっかくコストをかけるなら、最適なアイテム選びと、製品を長持ちさせる方法を押さえておきましょう。
今回は高視認性安全服の基本的な知識から、アイテム選びのコツやメンテナンス方法をご紹介します。
道路作業のオリジナルデザインの作業着の導入事例(中日本ハイウェイ・パトロール東京株式会社様)
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高視認性安全服の基本的な知識から、アイテム選びのコツやメンテナンス方法をご紹介
①JIS T8127とは
高速道路や線路上で、自動車・車両からの衝突事故を防ぐためには、対象者を200m以上手前から認識していなければなりません。
見通しの悪い夜間では特に視認性が求められます。高視認性安全服を着用していると、昼間・夜間ともに視認性が各段に改善されます。
ここで重要な役目を果たすが、蛍光生地と再帰性反射材です。
詳しくはこの後説明しますが、主に昼間の視認性向上を改善するのが蛍光生地であり、夜間には蛍光生地・再帰性反射材の両方が視認性を高める役割があります。
次に、国内規格JIS T8127の条件をおさえ、現場で必要なアイテムを見ていきましょう。
②再帰性反射材とは
車のヘッドライトなどの光を反射することで、効果を発揮します。
再帰性反射材には、ガラスビーズのタイプとマイクロプリズムのタイプと2種類あります。
「反射テープ」や「反射材」などとも呼ばれるシート状の素材で、高視認性安全服には欠かせない材料です。
JIS T8127においては、「再帰性反射材」という名称で統一されています。
反射材の種類と蛍光生地についてご紹介
反射材① ガラスビーズタイプ
ベースとなる生地に、反射膜とガラスビーズを施した反射材です。
50mmや70mmの幅のテープ状になっていることが多く、柔らかくて縫製しやすい素材です。
マイクロプリズムタイプよりも安価です。
反射材② マイクロプリズムタイプ
塩化ビニールやポリウレタンに特殊加工を施し、ミクロ単位の三角錐のプリズムを形成した反射材です。
ガラスビーズタイプよりも高輝度で、撥水性が高いためレインウェアにも適しています。
蛍光生地の色と規格
JIS T8127で使用が認められているのは、蛍光イエロー、蛍光オレンジ、蛍光レッドの3色です。
染色された生地がJIS T8127の蛍光生地として適合するか公的な試験機関で試験を重ね、蛍光生地が仕上がっています。
商品選びのアイテム別ポイント
①ベスト
身近に見る機会が最も多いアイテムでしょう。
ベストは通常はClass1相当であることがほとんどです。
しゃがむ動作が多い現場で着用する場合には、肩の部分に再帰性反射材が付いていると、車に乗った人から作業者の視認性が高まります。
②上着
シャツ・ブルゾン・防寒着・レインウェア(上)などです。
夏場に人気の扇風機付きのブルゾンや、通気性を改善したメッシュ素材の商品など、特徴ある商品が増えています。
③パンツ
しゃがむ動作がある場合、腰回りの反射材は視認性が高いため効果的です。
蛍光生地の面積を少なくして、汚れやすい裾部分にブラック・ネイビーなど濃い色を配色した商品もあります。
必要なクラスと現場の環境によって適切な商品を選択しましょう。
④つなぎ
生地面積が大きいため、Class3が求められる高速道路で多く採用されています。
ベンチレーションと呼ばれる、ムレを防ぐための通気口を作ることで、通気性を高めた商品や、腰回りにファスナーを配置してトイレの際に着脱が容易な商品もあります。
高視認性安全服の取り扱いについて
蛍光生地と再帰性反射材の寿命は1年となっています。
これは、一般的な作業着の寿命が3年であるのに対してとても短い寿命です。
蛍光生地は紫外線に弱く、退色しやすい特徴があります。
また、再帰性反射材は摩擦によって剥離しやすいのが難点です。
これらの消耗によって、視認性は著しく悪化するため、蛍光生地と再帰性反射材が劣化していないか、定期的なチェックが必要です。
また、商品の取り扱い方法を知らなければ、一層劣化をまねきかねません。
ここでは着用時の取り扱いと洗濯方法をご紹介します。
着用時の取り扱い
工具や安全帯を身に付ける職種の場合、こすれによって再帰性反射材の劣化や剥離が進んでしまいます。
車両の椅子や壁面とのこすれなど、作業中に繰り返す動作も劣化の原因です。
こうした作業動作を無くすことは難しいため、頻繁にこすれる部分は特に気を付けて劣化具合をチェックしましょう。
洗濯方法
高温での洗濯や強いアルカリ洗剤・漂白剤での洗濯は再帰性反射材の劣化を招きます。
洗濯機内での摩擦による剥離を防ぐために、製品を裏返した上で、洗濯は弱流水で水温30度以下で行いましょう。
メーカーによって弱流水モードの呼称は異なりますが、「ソフト」や「手洗い」「デリケート洗い」コースを選択しましょう。
他の衣類と一緒に洗濯をすると、摩擦の原因になるので、単品での洗濯が推奨されています。
また、工業洗濯には対応していないため、必ず家庭洗濯を行いましょう。
まとめ
高視認性安全服は、JIS T8127の規格を満たすために、蛍光生地の面積や再帰性反射材の面積、配置箇所が似たようなものになりがちです。
A社とB社が高視認性安全服を着用している場合、一般市民からは判別がつきにくい場合があります。
しかし、配色パターンの工夫や、縫製パターン等で他社との違いを出すことは十分に可能です。
オリジナル製品を作成する場合には、必要なクラスに応じて求められる条件を損なわないようにデザインに注意が必要です。
オリジナリティーある高視認性安全服を目指すには、社内デザイナー・パタンナーがいるダイイチにぜひ、ご相談ください。
高視認性安全を導入して、それまで着用していた安全チョッキの着用が不要になり、動きやすさが改善したという声もいただいています。
ダイイチは、多数の導入実績から導き出された品質を広めたいという思いでお客様の希望を形にします。
夏用メッシュ高視認性安全服の採用で熱中症ゼロを実現した事例(株式会社希望様)
https://www.un-daiichi.co.jp/casestudy/1286/