ビルメンテナンス業にふさわしい服装を業務別で解説|作業着の事例も紹介
ビルメンの主な業務内容
ビルメンテナンスの業務は多岐にわたり、建物や設備の「維持、管理、保守」に関するさまざまな作業を行います。それぞれの業務に特有の注意点や作業内容があるため、効率・安全性を保ったまま作業を進めるには、各業務に適した作業着が必要不可欠です。
本章では、ビルメンに最適な服装を紹介する前に、ビルメンの主な業務内容について詳しく見ていきましょう。
1. 環境衛生管理業務
環境衛生管理業務は、施設内の衛生環境を維持するための作業で、主に2つに分かれます。
・清掃管理業務
・衛生管理業務
「清掃管理業務」では。清掃作業が中心となるため、床材や金属、石材などの素材ごとに適切な方法で清掃を行うことが求められます。最近では、「事後清掃」から「予防清掃」へと変わりつつある仕事です。
「衛生管理業務」では、「建築物衛生法」に基づき、基準を遵守するために定期的な点検や調整を行います。空調環境の管理や一酸化炭素・二酸化炭素濃度の測定など、空気質の維持も業務の1つです。
2. 設備管理業務
設備管理業務は、施設内の各種設備が正常に作動しているかどうかを確認する仕事です。例えば、エレベーターや冷暖房設備、電気・水道、消火設備など、多岐にわたる設備の管理が該当します。
安全性を確認したうえで稼働させるなど、運転管理、点検、記録、整備といった一連の業務を実施します。
3. 建物・設備保全業務
建物やその設備を長期間にわたって良好な状態に保つために行うのが、建物・設備保全業務です。定期点検を通じて建物の劣化具合をチェックし、問題が発生する前に適切な処置を行うことで、長期的な耐久性を確保します。
設備管理業務と同じ業務が含まれることもありますが、具体的には、受変電・発電機械の設備、ボイラー設備の点検に加えて、建物の空気環境測定、飲料水貯水槽の清掃や水質検査などの劣化を確認する業務です。
4. 警備・防災業務
警備・防災業務では、不審者の侵入を防ぐための監視や、盗難防止など、ビルの安全を守る仕事です。また、防災機器や消防設備の点検、管理も含まれ、緊急事態に備えた設備が正常に機能しているかを確認します。
ビルメンの業務別で最適な服装
ビルメンの服装は、それぞれの業務特性に応じた作業着を見極めることがポイントです。作業効率や安全性を確保するために、適切な作業着を選びましょう。
以下では、最適な作業着の特徴を業務別で紹介します。
環境衛生管理業務に適した作業着
衛生管理業務では、清潔さを維持することが重要です。特に施設内の空気環境や衛生面をチェックする作業を行う際には、防塵・通気性の高い作業着がおすすめです。
- ・通気性の良い素材
空気環境の点検や清掃作業など、汗をかいても蒸れにくい素材
- ・抗菌・防臭加工
施設の清潔さを維持するため、抗菌加工された素材
- ・動きやすさなどの伸縮性
フローリングや壁の清掃時に頻繁にしゃがんだり立ち上がったりするため
設備管理業務に適した作業着
設備管理業務では、エレベーターや冷暖房設備など、大型で重い設備の点検や整備を行います。そのため、動きやすさと耐久性、作業の邪魔にならないデザインを兼ね備えたユニフォームが最適です。
- ・耐久性の高い素材
機械や重い設備を扱う際に必要な摩耗や引っかかりに強い綿やナイロンの混紡素材
- ・防護機能
高所作業など安全確保のための、ヒザやヒジにパッドが付いたデザイン
- ・ポケットの多さ
工具や小さな部品を携帯しやすい、多機能ポケットが付いたデザイン(※ポケットの場所には注意)
建物・設備保全業務に適した作業着
建物の長期的な維持を目的とした保全業務では、屋内だけでなく、屋外での点検作業が含まれるため、様々な天候に対応できる作業がおすすめです。
特に防風・防寒性の高い作業着が良いでしょう。
- ・防風、防寒機能
冬場の外壁や屋上の点検作業では、内側にフリースや断熱素材が使用された機能
- ・防水加工
急な雨にも対応できる防水性や撥水加工に優れたジャケットやパンツ
警備・防災業務に適した作業着
警備や防災業務は、24時間体制での監視や見回りを行うこともあるため、視認性の高いユニフォームがおすすめです。
- ・反射素材付き
夜間の見回りや薄暗い場所での監視業務が多いため、反射素材が付いたもの
- ・軽量で通気性の高い素材
見回りが多いため、軽量で通気性の良い素材や着脱可能な作業着
ビルメンのユニフォームを選ぶポイント
次に、ビルメンテナンス業務におけるユニフォーム選びの重要なポイントを解説します。
1. 立体裁断加工が施されているユニフォーム
立体裁断加工とは、平面的な裁断とは異なり、「人間の体の曲線に沿って布地が立体的にカットされた」ユニフォームです。立体裁断加工の作業着の場合、しゃがんだり立ち上がったりする動作が多い作業でも、体にフィットし、動きやすさを保ちながらも疲れにくいというメリットがあります。
立体裁断加工を施されたユニフォームを選ぶ際は、袖口や膝、腰周りなどの裁断ラインに注意しましょう。実際に試着してみて、「体に馴染んでいるか」「自然な動きができるか」を確認することも重要です。
2. 洗濯しても劣化しない素材を選ぶ
ビルメンテナンスの現場では、業務内容によりますが、比較的ユニフォームが汚れやすく、頻繁に洗濯する必要があります。そのため、洗濯による劣化が少なく、形状を保つ素材を選ぶことが重要です。
おすすめの素材はポリエステルです。ポリエステルは、化学的に合成された繊維で、縮みや型崩れが起きにくいという特長があります。加えて、長期間の使用に耐えるため、多くのユニフォームで使われています。
また、ポリエステルと綿の混紡素材(T/C素材)もおすすめです。
ユニフォームでもっとも採用されている素材と言っても過言ではありません。
「ポリエステル65%・綿35%」の混紡素材は、耐久性と快適さのバランスが良い王道の素材です。その他に「ポリエステル90%・綿10%」の素材混率の裏綿と言われる素材は、表面がポリエステル、裏面が綿の双方の特徴を活かした二重構造で人気が高い素材の一つです。
3. 吸汗速乾性の高いユニフォーム
作業中に汗をかきやすいビルメンテナンス業務では、汗をすぐに吸収し、素早く乾かしてくれる素材がおすすめです。吸汗速乾性の高い素材は、洗濯耐久性の高い素材と重複しますがポリエステルです。
ポリエステルはスポーツのユニフォームやインナーでも採用されており、汗を素早く吸収して乾かすため、蒸れにくく、特に夏場や屋外での作業に向いています。また、先述したポリエステルと綿を混紡したT/C素材も、適度な吸汗性と速乾性を持っており、長時間の作業でも快適な着心地を維持できます。これらの素材は、特に汗をかきやすい環境での作業を快適にするため、ユニフォーム選びにおいて重要なポイントです。
ビルメンのユニフォーム事例
最後に、ビルメンテナンス業界のユニフォームの事例を見ていきましょう。
1. 株式会社ピーオーテクノサービス様
株式会社ピーオーテクノサービス様は、ポーラ・オルビスホールディングスの一員で、清掃や設備スタッフのユニフォームを6年ぶりにリニューアルしました。
清掃スタッフ用には抗菌加工、設備スタッフ用には再生PET素材を採用し、サスティナブルな社会の実現に貢献しています。
https://www.un-daiichi.co.jp/casestudy/4450/
2. 株式会社ビルネット様
株式会社ビルネット様は、全社員が着やすく、機能性とデザイン性を兼ね備えた新ユニフォームを導入しました。
試着会やアンケートで社員の意見を積極的に取り入れ、最終的にコーポレートカラーの配色タイプが採用されました。
https://www.un-daiichi.co.jp/casestudy/3882/
3. 戸田ビルパートナーズ様
戸田ビルパートナーズ株式会社様は、60周年を機にビル管理事業のユニフォームをリニューアルしました。デザイン制作段階で現場視察などを実施したため、着用感やデザインともに満足の声が多く、社員のモチベーションがあがりました。
https://www.un-daiichi.co.jp/casestudy/1299/
4. 第一ビルメンテナンス様
株式会社第一ビルメンテナンス様は、作業員が着やすく、統一されたデザインのオリジナルユニフォームを導入し、社員間や顧客からの認知度向上に繋がりました。耐久性の高い素材や各職務に適したデザインの改善など、継続的な提案が評価されています。
https://www.un-daiichi.co.jp/casestudy/1261/
ビルメンに最適な服装のまとめ
ビルメンに最適な服装を作業の内容に合わせて解説しました。作業着を導入、新しく発注する際には、現場の従業員に直接聞いてみることもおすすめです。
ダイイチでは、ビルメンテナンス業にふさわしいユニフォームを企画・デザイン・提案含めてサポートしています。
クリーンスタッフや設備スタッフ向けの
- ・おすすめユニフォーム
- ・導入のポイント
- ・リユース可能な製品のご紹介
など、ユニフォーム選びに役立つ情報を記載した資料を以下からダウンロード可能です。
無料でご確認いただけますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
【ビルメンテナンス特化カタログ】
https://www.un-daiichi.co.jp/download/3817/?post_id=3817